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UAE法人税導入(CT = Corporate Tax)に関する情報

ドバイ/UAE 法人税導入に関する情報

VAT(付加価値税)|ワイズ コンサルタンシー
ドバイを含むUAE(アラブ首長国連邦)では、2023年6月から法人税が導入されます。(多くの会社は2024会計年度から適用)

この記事を書いている2023年6月時点での情報、知っておくべき事項などについてこのページに既述します。

このページは新たな情報が入り次第、随時アップデートしていく予定です。

尚、このページはすでにUAEに法人を設立した方、または法人設立を検討している方に向けた内容です。
常に議題には上がっていた法人税導入が、いよいよドバイ(UAE)に導入される事が、2022年1月31日(夜中)に突然発表されました。2023年6月より運用開始となります。(ドバイで一般的な、12月末が会計年度末の会社は、2024年の売り上げから対象、2025年1月以降が最初の申告となります。)

UAEにて導入される法人税概要(現時点で発表されていること)/キーポイント

  • 法人税率:9%
  • 年間の純利益(Net Profit)に課される
  • 課税は、AED375000(およそ1170万円)を超える額から対象となる(年間の売り上げが、AED375000(およそ1170万円)以下のビジネスには課されない)
  • 2023年6月から導入予定(例えば、12月末が会計年度末の場合は2024年1月から対象)
  • 条件を満たしたフリーゾーン法人は除外される(「条件を満たす証明方法」については監査法人による認可が必須)
  • ローカル法人は業務に関係なく9%が適用される
  • 2026年末までの時限処置で、売り上げがAED 3 Million以下の小規模法人は0%です。


法人税(9%)の対象/対象外となる法人

以下に該当する個人/法人以外は、フリーゾーンかローカル法人かに関わらず、全て法人税の対象となります。

  • 政府機関
  • 閣議決定の対象となった政府系の会社/団体
  • 資源開発業務を行うビジネス
  • あらかじめ認定された公益法人
  • 公的またはプライベートの年金機構
  • あらかじめ認定された投資ファンド
  • 政府機関の100%子会社、政府機関が100%持つ投資ファンド等

*フリーゾーン法人も「法人税の対象である」という理解が必要です。

UAE法人税法におけるフリーゾーン法人の扱い

フリーゾーン法人に対する法人税の適用は、行う業務、法人規模により変わってきます。ややこしいため個別のページを設置しました。以下のリンクをご参照下さい。


収入のほとんどを「Qualifying Income」で占めるフリーゾーン法人(Qualifying Free Zone Person)は、法人税0%を享受できますが、ほとんどのフリーゾーン法人はそれに該当しないと考えられます。詳しくは上記リンクをご確認下さい。

Qualifying Free Zone Personであることを証明する方法については、「会計監査法人による監査」が要求されます。

法人税納税の実例

ローカル法人(オンショア法人)や、オンショア業務を行うフリーゾーン法人等、法人税の対象となる法人は、以下の方式で納税額を算出します。
  • 純利益がAED375000を超える法人:9%納税
  • 純利益がAED375000を超えない法人:0%

例えば、年間の純利益がAED400,000だった場合、AED375000には法人税がかからず、その額を超えた分:AED25,000が納税の対象となります。

AED25,000 x 9% = AED2,250

AED2,250 が納税額となります。

Federal Tax Authority (FTA)への登録義務

よって、VAT(付加価値税)と同様に、年間の売上がAED 375,000以上の法人は、FTAへの登録が義務付けられます。

Federal Tax Authority 法人登録ウェブサイト

FTAへの登録が完了すると、TIN(Tax Identification No.)の記入されたCertificateが発行されます。

このTINナンバーは、インボイス=タックス・インボイス(請求書)を顧客へ出す際に、請求書上に必ず記述する必要があります。

正しいブックキーピング(簿記)の必要性

Tax Invoiceやレシートの管理、FTAからの要求などを想定し、FTAに登録された法人は正しくBookkeeping(簿記)を行い、会社の出入金を明確にし、要求があればいつでも提出できる体制にしておく必要があります。

法人税の導入により、売り上げがAED375,000以下のフリーゾーン法人であっても、法人税の対象とならない証明が必要となるため、今後は全ての会社においてブックキーピングは必須と考えて頂いた方が良いです。

ブックキーピングは、小さい会社であれば自分で行っても良いし、誰かしら専門のスタッフを雇うことも考えられます。不要なペナルティを避けるため、正しい方法でこれを行うことは非常に重要です。

現状、UAEで多く使われている主な会計ソフトはQuickbooksやSage、Tallyなどで、今からBookkeepingを行うのであれば、これらUAEでメジャーな会計ソフトの使用をお勧めします。

主な保管しておくべき書類
  • インボイス
  • クレジットノート/デビットノート
  • 輸入/輸出書類
  • Accounting Books(会計帳簿)

法人税導入に関する所感

税金ゼロのコマースバブ(Commerce Hub)として、世界中からビジネス/富裕層を呼び込んできたドバイは法人税導入により帰路に立たされます。
安易な節税目的の法人設立が横行していた今までの状況から、

  • ドバイ自体が人・ビジネスを惹きつける魅力を持つか
  • 他の税金が低い国々に比べ、アドヴァンテージがあるか
  • ビジネス/金融インフラは整っているか
  • 政治的/地域的に安定したビジネス環境を提供できるか

といった内容に焦点が当てられ、それらの向上が図られていくと考えられます。

UAEでは過去1〜2年の間に、100%外資によるローカル法人設立を認可、週末の土日への変更、お酒にまつわる法の緩和や結婚していないカップルの同居等、さまざまな事項で(特に欧米人にとって)ビジネスフレンドリーな環境を提供する政策を矢継ぎ早に導入してきました。

税金ゼロという圧倒的に有利な税制により人を呼び寄せる方策から、街自体をより魅力的にすることで人を呼び寄せる方向へと転換を試みる時期に来た、という事が言えます。

日本のお客様にとってドバイへのビジネス移転/移住は、税率9%(個人の所得税等は引き続きゼロ)に優位性があるかどうか、という点はもちろんのこと、その他の低税率国家(香港やシンガポール、ラブアン)に比べ、ビジネス環境、子供の教育を含む生活環境、などに魅力があるかどうかを評価した上での選択となると思います。

ワイズ@ソーシャル・ネットワーク

弊社ワイズ・コンサルタンシーでは、ドバイ情報、法人設立・法人維持やビザに関するレギュレーションの変更、ドバイ不動産情報などについて、常にソーシャル・ネットワークにて最新の情報を配信しております。

度々レギュレーションが変わり、情報が錯綜しやすい地域特性もありますので、最新の情報に興味のあるお客様は、是非ワイズ・コンサルタンシーのSNSページのフォローをご検討下さい。

VAT(付加価値税)&税金、関連コラム

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NOV
16
ついにVAT(付加価値税)詳細が姿をあらわした。
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この記事は2018年1月にVAT(付加価値税)が実際に運用される前に書かれたコラムです。一部当時の予想を含んでおり、実際とは異なっている点もあります。 運用後の詳しい情報は以下のリンクを御覧下さい。 VAT(付加価値税)に関する情報|ワイズ・コンサルタンシー 来年2018年から始まると発表されていたUAE初の本格的な税制度、VAT(付加価値税)だったが、詳しい内容、特にフリーゾーン法人のビジネスにどう関わってくるか、についてはExecutive Regulation待ち、という状況が続いていた。 本来は「10月に発表される」という予定だったが、結局VAT開始の1ヶ月半前のここに来て、いよいよドラフト版が公開された。 そんなわけで、内容をさらっと確認し、特に日本人が行うビジネスに該当するであろうと思われる幾つかの条項について解説したいと思う。 (私は法の専門家ではありませんので、ここに書く内容にてついては保証しません。各自でご確認をお願いします。) まずVATの大枠について 先月からFederal Tax Authority(無理やり日本語にするなら連邦国税庁?)に登録する様に、と各方面で告知がなされていた。実は弊社もすでに申請は済ませており、登録を待っている状態だ。この登録義務には条件があり、それは以下のようなものだっだ。 Taxable Supply (Goods or serivice)の売上がAED150 Million以上の法人:10月末まで Taxable Supplyの売上がAED10 Million以上の法人:11月30日まで Taxable Supplyの売上がAED375,000以上の法人:12月4日まで そこで疑問は "Taxable Supply"とはなんぞや、ということだと思うが、ぶっちゃけこれはほぼすべての物品(やサービス)が入ると考えてしまって良い。Taxable Supply以外はExempt Supplyと言うが、これに相当するのは、 土地 居住不動産賃貸価格や、ディベロッパーから直で購入する不動産 公共交通 金融業の一部 などであって、殆どの日本人が行うビジネスはこれらに入らないからだ。 だがTaxable Supply全てに5%のVATがかかるか、というとそうでは

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MAY
10
徐々に形を表してきた、VAT(付加価値税)導入のフレームワーク
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UAE(を始めGCC諸国全体)では、過去数年のオイル価格の下落とその長期化の予想の影響から、付加価値税(VAT)の導入を決めた事は1 年以上前のコラム、「ドバイ/UAEでVAT(付加価値税)導入が発表された」で書いた。 この記事は2018年1月にVAT(付加価値税)が実際に運用される前に書かれたコラムです。一部当時の予想を含んでおり、実際とは異なっている点もあります。 運用後の詳しい情報は以下のリンクを御覧下さい。 VAT(付加価値税)に関する情報|ワイズ・コンサルタンシー 時が経つのはとても早い。(子供が生まれてからは特に・・・) 実際の運用開始を8ヶ月後に控え、純粋なスペキュレーションを含め現在さまざまな情報が出てきている。 UAEのVAT導入のフレームワーク(Educated Guessによる) UAEのMinistry of Finance(財務局)が最近様々なオープン・ワークショップを行っており、法律の根幹となるであろう様々な事項が一般にシェアされはじめた。 そこで、ここでは弊社で耳にした(目にした)いくつかの事項についてまとめたい。(あくまでもウワサの範疇で、実際の運用がどうなるかはまだ未定) 付加価値税率は5%で、一部のアイテムにはゼロ%。 年間AED375,000以上(1000万円程度)の売上がある企業が対象で、年間AED187,500以上の会社は自由意志にによる申告  VAT専用のポータルサイトが2017年10月1日にオープンするだろう  付加価値税の支払いは四半期ごとが濃厚  VAT税の登録と支払いは電子決済にて  医療と教育セクターは非課税  不動産セクターには特別なルールが設けられる可能性 ファイナンシャルセクターとフリーゾーン会社については特別なルールか設けられる予定であるが、今のところ詳細は未定  GCC諸国内の貿易取引に関しては、特別なルールが設けられる予定。 ここで上記から個人的に気になるものを幾つかピックアップしたい 「一部のアイテムにはゼロ%」 前回VATに関するコラムを書いたときには、付加価値税の除外アイテムリストの中に「自転車」というのがあって、「え?」と思われた方も多いかもしれない。 これは何かと運動不足で糖尿病患

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FEB
25
ドバイ/UAEでVAT(付加価値税)導入が発表された
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この記事は2018年1月にVAT(付加価値税)が実際に運用される前に書かれたコラムです。一部当時の予想を含んでおり、実際とは違っている点もあります。 運用後の詳しい情報は以下のリンクを御覧下さい。 VAT(付加価値税)に関する情報|ワイズ・コンサルタンシー 「税金ゼロの国」という宣伝文句は使えなくなってしまった。 数日前に「ついにUAEでも法人税の導入か」というコラムを書いたばかりだったのだが、早速2018年1月からのVAT(付加価値税=消費税)導入決定がUAE財務相より発表された。 理由は先のコラムでも書いた通り、オイル価格下落の長期化が予想される中、中東GCC諸国ではオイル以外の財源確保、すなわち財政収入の多角化を狙っているためだ。   [PR] (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 詳しい内容はまだ決まっていないものの、現在わかっている範囲では利率は5%。その他、 100品目の食品 医療 教育 自転車 には非課税だ。 自転車??? と不思議に思うかもしれない。勝手な予想だが「健康促進に良い」ということで推奨されているからなのだろう。 ただしドバイの街中は全くもって自転車フレンドリーではない。 暑い上に車の運転は荒いので、街で自転車に乗るには命を捨てる覚悟をしなければならない。 まあそれは置いといて、このVATだが、リテール業者から徴収するのは想像できるが、日系企業も多く在籍するフリーゾーン内の会社の売り上げに対してどのように適用されるのかはまだよくわからない。 UAEのフリーゾーン(経済特区)に関して言えば、ドバイ首長国内では会計監査の義務化が2、3年前に始まったばかりだが、他の首長国では実質的に会計監査をしなくてもよいフリーゾーンも未だにある。 このような状態で、2年後からどのようなシステムで5%を徴収するつもりなのかがわからないのだ。 特にフリーゾーンの会社のインカムはUAEの企業や個人からではなく、主に外国からの支払いによって成り立っている。 よってフリーゾーン会社の売り上げには適用されない、という事も十分にあり得る。 今後、このあたりは注視していき、具体的な内容が分かり次第、このブログ内や、弊社のツイッター、Faceb

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FEB
22
ついにドバイ/UAEでも法人税の導入か
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とは言ってもUAEでは2018年以降を目指した法改正のための「スタディを行っている」という段階の話です。 まだまだ実現するかどうかは未知数。 UAEを始めとするGCC諸国ではオイル価格の下落が激しい昨年後半から、盛んに直接税導入の議論が行われている。 2016年に入り、隣国オマーンではすでに15%の法人税導入を発表した。(以前のオマーンでは30,000オマーンレアル=USD77,922以上の利益のある会社のみに12%の法人税が課せられていた。) GCC諸国では、これまでもVAT(付加価値税、日本の消費税の様なもの)を中心にした直接税の導入の話はかれこれ10年ほど前からあったのだが、最近のオイル価格の下落によりこの動きが一気に加速した様子だ。   [PR] (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); VAT=付加価値税に関しては、遅かれ早かれ導入されるのだろう。購買意欲の高いUAE居住者にとっては、日本と違い消費税導入くらいでは景気にはさほど影響しないのではないだろうか。 しかもヨーロッパ人居住者にとっては5%導入したところで自国に比べたらまだまだ安くて魅力だ。何せヨーロッパのVATは軒並み20%台だからだ。 注目かつ気になるのは法人税(法人所得税:CIT=Corporate Income Tax)の方だ。(所得税の導入は予定していない) UAEではこれまで、銀行業とオイル会社以外の法人は法人税を取られることは無かった。(ただし「ライセンス料金」という形で実質的に税金のようなものは払っていたが。) 「オイル以外の財源を確保する」ということでは直接税の導入を評価する声もあるのだが・・・ それは建前だろう。 そもそも「法人税が全く無い」からUAEに現地法人を置いている企業/インベスターも相当数いるわけで、法人税の導入方法によっては無税/税金が安い魅力が半減してしまい、海外からの投資が先細りする、などの痛手が無いとは限らない。 ちなみに現在のところ、ローカル会社への法人税の導入、という方向がまずあり、フリーゾーン会社はフリーゾーンごとに任せる、という方向で議論が進んでいるようだ。 ん?UAEのフリーゾーンは50年間の法人税無しが保障されていたはずだが

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